郷土汁シリーズ

「みずき」では2021年5月3日より昼食の汁物「北海道の三平汁」から郷土汁シリーズをスタートしました。毎月2~3回のペースで実施し、2022年8月16日の東京で全国47都道府県のゴールを迎えることができました。2022年9月20日発行の広報誌「たのしくパクりんこ27号」では「みずき」で提供した47都道府県すべての郷土汁の写真を紹介しています。

※左)たのしくパクりんこ27号 右)郷土汁一覧

では、この郷土汁を企画した経緯をお話ししたいと思います。

この企画の郷土汁シリーズを始めるにあたっては、食チームで郷土食提供を行おうとの企画がきっかけでした。企画を実施することになり、前段階としてご利用者に出身地を聞き、主菜・麺類の試作や試食を他部署の職員にも依頼しました。しかし、「みずき」の食形態では、嚥下にそぐわない物、食物アレルギーなどが心配される物、摂取カロリー的に難しい物が郷土食には多くあり、楽しんでもらうには見た目も味も難しいと考えました。ならば、郷土の色を楽しんでもらうにはどうするかを「みずき食事支援課」で会議を行い、地域には多くの汁物があることから、汁物ならば食形態に合わせて提供できるので汁物でチャレンジをしてみようとの話になりました。そこから、書籍やインターネット、地元の人からの話を聞き、レシピを集め摂取カロリーに沿った汁物えらびを始めました。調べてみると、各都道府県にはその地方独特の汁物があり、あまり知られていない食材もありました。

一例としては、油麩という食材です。油麩は宮城県で食べられている食材で麩を油で揚げて乾燥したものです。その麩でつくった味噌汁を「はっと汁」というそうです。ほかにも、地域独特で入手しづらい食材が多く、納品業者の皆さんに協力をお願いして形になった汁物もありました。

宮城県の「はっと汁」

油麩

提供献立が決まり、次はご利用者へのお知らせでした。月に2回郷土汁を提供し、その際には郷土汁カードと放送でアナウンスを行いました。これには、2つの意図を含めました。一つ目は郷土汁に興味を持っていただき、珍しい食材を楽しんでもらう。2つ目は、その料理のつくり手を知ってもらい、顔の見える食事支援課を目指すためでした。そのため、アナウンス原稿を事前につくり、その日の調理担当に読み上げてもらいました。その効果が功を奏し、ご利用者から、「誰さんが作った郷土汁美味しかった。また、つくってと誰さんに言っといて。」とのお褒めの言葉と普段は聞けない「誰さん」という名称が付いたことも郷土汁提供には効果があったと思います。この企画をきっかけに顔は知っているけど名前のしらない食事支援課職員ではなく、つくり手の顔と名前が想像できる食事提供にシフトできたと思います。献立内容も、翌週まで献立内容を覚えていただけるようにもなりました。

おかげさまで、「みずき」の郷土汁シリーズは全国達成しましたが、「さくら」「かえで」「リブインさくら」では、郷土料理シリーズを継続していますので今後もお楽しみください。また、郷土食のほかにも広報誌「たのしくパクりんこ」で紹介させていただいているように、毎月様々なイベントや行事食を提供させていただいており、これからも「食」の取り組みを通してご利用者をはじめ地域の方、職員に笑顔になっていただけるようチーム一丸となって頑張っていきますのでよろしくお願いします。

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